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料理店の飲食代などは、短い期間で時効にかかるなどという話が、ちょっとした法律の知識として紹介されていたりします。
時効とは、実の権利とは異なる一定の事実が続いていた場合、それを保護しようという制度で、取得時効と消滅時効があります。一定期間占有していれば所有権を取得できるというのが前者、一定期間権利行使をしないでいると権利が消滅するのが後者です。
飲食代が時効にかかるというときの「時効」は、消滅時効のことです。
貸金債権などが、10年で時効消滅するのに比較して、飲食代、ホテルの宿泊代などは1年で時効消滅します。これらの債権は、すぐに支払われるのが普通なので、すぐに請求すべきであり、何年も経ってから請求しても手遅れであるということですね。
そうすると、例えば、スナックなどでツケにした場合、請求をされてものらりくらりと1年間過ごしてしまえば、払わなくても良いのではないかなどと、思われるかもしれません。
しかし、消滅時効の趣旨には、『権利の上に眠る者は保護しない』という発想がありますので、支払を求めるなどの権利行使をした場合には、時効消滅させる必要がないことになります。
そこで、「時効の中断」という制度があります。
時効完成前に、支払を求める裁判を起こしたり、差押えをするなど裁判上の手続を取れば、それまで進行してきた時効期間が振出しに戻り、またゼロから進行することになります。裁判上の手続までいかず、相手に請求書を送るなどの単なる請求でも、一応中断されます。ただ、この場合は、それから6か月以内に裁判上の請求をしなければ、中断の効力が失われ、もともとの時効成立時期にさかのぼって時効消滅してしまいます。
このように、権利者側の行為で、確実な時効中断をするためには、裁判上の手続をふまなければなりませんが、債務者が債務の存在を認める行為(債務の承認)をすると、これだけで、時効の中断になります。例えば、誓約書を書くとか、残高確認書に署名させるなどです。債務者が一部だけ支払った場合も同様です。
スナックの例でみると、債権者はスナックで、債務者はお客ですから、飲食後1年経つ前に、スナックが裁判上の請求をするか、お客に誓約書などを書かせるかすることで、飲み代はそこからまた1年間消滅しないことになります。この点、お客が債務を認めればよいのだから、電話で催促し、お客が「近いうちに支払う。」と答えたような場合、つまり書面ではなく口頭で認めた場合にも理論上中断はしますが、証拠がないので、後にお客がしらばっくれると解決にはなりませんね。念のため、書面に残す方法が無難です。
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