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桑子のいろはに法律
~子供のケンカ~

 子供同士で遊んでいるとき、ケンカになって怪我をさせられた場合、親に責任を問えるのでしょうか。

当然できるはずというのが、大勢の意見でしょうね。ただ、その子供がいくつかにより、多少事情は変わってきます。

 私たちが、他人の生命、身体 、財産などに対し、故意(わざと)または過失(落ち度有り)により、傷つけたり、損害を与えた場合、被害者に、これによって生じた損害を 賠償する責任を負わねばなりません。このような、行為を、「不法行為」といいます。

 しかし、幼い子供については、不法行為にあたる行為をしても、自分の行為の是非を判断する能力(責任能力)がないので、損害賠償義務を負わせないことになっています。 だいたい、12才くらいが、責任能力の有無のボーダーラインです。

 責任能力のない者が、不法行為をした場合には、その子供の親権者や後見人(監督義務者)、または幼稚園の保母さんや小学校の先生など(代理監督者)に損害賠償責任を追及できることになっています。

ただ、代理監督者は、いつでも責任を負うわけではなく、学校の先生であれば、学校でケンカがおきて怪我をしたような場合にのみ責任を負います。監督義務者や代理監督者は、監督義務を尽くしていたことを立証すれば、責任を免れますが、監督義務者が責任を免れるのは難しいといえます。
このように、責任能力のない子供が加害者の場合は、親に責任を問えるのが原則ということになります。

 では、中学生のように責任能力がある子供が加害者の場合、本人が責任を負うことになりますが、親はどうでしょうか。

幼い子供について述べたことを前提とすれば、責任能力がないと、本人に責任を問えないので親に問えるということから、責任能力があれば、本人に問える以上親には問えないということになりそうです。しかし、中学生では、資力がなく、被害の填補には現実的ではありません。そこで、親に追求することになりますが、この場合、親が子供の監督義務を怠っていたから責任を負うのだという論理で親に追求することになります。

 結局、親が責任を負うのなら、子供の責任能力など関係ないようにもみえますね。しかし、ニュアンスが微妙に違うことにお気づきですか。

 責任能力がない子供については、原則親が負い、親が責任を免れるためには、親自身が自分の監督義務違反がないことを証明しなければなりません。これに対し、責任能力がある子供については、被害者が、親の監督義務違反を証明したときに、親に責任を追及できるということになり、証明の負担者が変わっているのです。

 ここで、注意しなければならないのは、怪我の原因がケンカの場合、「ケンカ両成敗」といわれるように、怪我を負った方にも責任はあったということで、賠償額が減ることがあるので(過失相殺)、お互い様で終わることもあるのです。

 

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第二東京弁護士会所属。
西東京市田無町に平成11年4月、独立開業、
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