|
民事再生法が、平成12年4月1日から施行されました。経済的破綻に瀕した会社や個人が、経済的再建を図る手続のひとつで、債務者が業務遂行し、財産の管理処分を継続しつつ、債権者の同意により可決された再建計画に基づいて、事業や経済生活の再建を図るものです。
しかし、主眼は中小企業向けの手続であり、個人が利用するには複雑すぎる手続のため、個人にはほとんど利用されておりませんでした。
そこで、個人債務者を対象とした再生手続として「民事再生法等の一部を改正する法律」が成立し、平成13年4月1日から施行されました。
今回は、この新しい法律について、触れたいと思います。
この改正法は、将来において継続的に収入を得る見込みがある人で、住宅ローンや担保回収見込み額を除いた債務の総額が3000万円以下の場合に利用できます。手続の開始後、一定期間内の債務者の収入を、弁済の原資として、債務の一部を弁済すれば、残債務は免除されるというものです。
【1】小規模個人再生の特則
【2】給与所得者等再生の特則
【3】住宅資金貸付債権に関する特則
が設けられています。
【1】は、通常の再生手続の特則であります。
【2】は、さらに【1】の特則であります。
【3】は、通常の再生手続の特則でもあり、【1】、【2】にも適用できます。
【1】と【2】を総称して、個人再生手続といいます。
【1】は、債務者の立てた再生計画につき、債権者の一定数以上の同意が必要ですが、【2】は、同意が不要です。その代わり、給与またはこれに類する定期的収入を得ることができ、その額があまり変動しないと見込まれ、過去2年間の収入をもとに計算された最低弁済額が弁済できることが必要となります。【2】の要件も充たす場合には、どちらの手続を選ぶことも自由です。
【3】は、住宅ローン債務につき、本来は支払を遅滞すれば競売されて住居を失うところ、元金の支払期限と期間の猶予を与えて、リスケジュールすることにより、住居を競売されることなく、再生を図ることができる特則です。住宅ローンを組んでいる銀行が同意をしなくても、法に規定した範囲でなしたリスケジュールであれば認められる ことになります。
この特則を利用できるのは、債務者が現に居住の用に今日する建物で、当該ローンの抵当権のみ設定されていることが必要です。もっぱら賃貸用の建物であったり、他の債務の抵当権もついている場合には、利用できません。また、要件を充たす建物が2つ以上ある場合、これらのうち、ひとつしか利用できません。
これまでは、個人の債務整理といえば、破産か任意整理の方法をとるしかありませんでしたが、そのいずれも芳しくないケースについて、個人再生手続を利用するという選択肢が増えました。もっとも、手続が煩雑なこともあり、利用するには専門家に相談する必要があるでしょう。
更新日時:2001年11月27日
|