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このコラムでは、日常生活に身近なテーマを取り上げようと思い、これまで民事関係が多かったのですが、たまには刑事関係についても触れてみようかと思い、今回は、一般用語にもなっている『正当防衛』というものについて取り上げてみました。
「相手を傷つけるようなことをしたとき、実は相手が襲ってきたから、自分の身を守るために、やむをえずその相手を傷つけてしまったのだ」という言い分は、刑法でいう正当防衛を主張していることになります。
この正当防衛の主張が通れば、傷害罪などの犯罪にあたる行為をした場合でも、犯罪は成立しないことになります。つまり行為が正当化され、違法性がなくなるのです。
どのような場合に、正当防衛と認められるかというと、
① 急迫不正の侵害に対して
② 自己または他人の権利を
③ 防衛するため
④ やむをえずした行為である
の要件を充たしている場合です。
①の急迫とは、危険が迫っていることを意味します。不正とは、違法であることを意味します。②の権利とあるのは、広く守られるべき「利益」というように考えます。③の防衛するためという言葉には、「防衛の意思」が必要かどうかという問題があります。防衛するつもりはなく、一方的に侵害行為をするつもりだったのが、実は知らぬところで狙われており、たまたま防衛する結果になったなどというケースでも正当防衛として無罪になってよいのかという問題です。ここでは、急迫不正の侵害を認識しつつ、避けようという心理状態は必要であると考えます。④は、防衛行為が防衛のために必要で、程度が相当であったことを意味します。例えば、素手で殴られそうになったのを、包丁でむかっていったというのでは、相当性を欠くということになります。
ひとつひとつ要件にあてはめ、全て充たしているときは、正当防衛が成立することになり、犯罪ではなくなります。
ただ、いろいろと難しい場面があります。
侵害行為に対する防衛というが、侵害行為を自ら挑発して招いた場合はどうかとか、反撃行為が侵害者でなく、第3者にいってしまた場合も正当防衛かとか、侵害行為がないのにあると勘違いして、防衛行為をした場合はどうかなど。
法律の勉強は、まず、条文に書いてあることを理解し、そのうえで、そこからちょっと外れた場面ではどうなるのかということ(論点)を、学説を通じて考えていきます。興味がある方は、まず条文はどうなっているのか、そして解釈論へという流れを頭に置きつつ、トライしてください。
~おまけ~
アジアを旅行していて物売りに付きまとわれ、欲しくもないものを買ってしまった経験のある方はいることでしょう。ベトナムでも物売りが結構います。私も、近くのホテルまで行く途中、絵葉書を売る男性につかまってしまい、断ってもずっとついてくるので、離れて欲しいがためにたいしたデザインでもない絵葉書を買ってしまいました。船下りなどに行くと、乗った小さな船の中で物売りを始めるのですから、逃げようがありません。品物を色々並べられ、さあ、どれにするかという感じです。断るとあっさり引き下がる人もいれば、値段交渉を始め、なんとしても買わそうとする人もいます。怒り出す人もいるとのこと。まあ、それ程高いものではないのですが、思わずこっちも『買わないといったら買わないのだ!』と意地になってしまったりして・・・。
以 上
更新日時:2002年6月25日
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