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商工会青年部を卒業するまでは、毎年菖蒲まつりやサマーフェスティバルの設営に関わっていた。子供の喜びそうな催しを考えたり食べ物を売るのだが、常に用意した物が売り切れるわけではなく、時には60本のアメリカンドッグを買い取った年もあった。しかしそれなりに楽しいので、この季節になると、「今年は何を売ろうか」と役員会で話し合っていた。また、それ以外にも障害者週間・福祉のつどいの実行委員もやっていたから、そちらでも模擬店の話題は出た。
ところがO-157で死亡者が出た年、一気に模擬店に対する規制が厳しくなった。その年は全生園を会場にしてサマーフェスティバルを行ったのだが、口に入る物で売られたのはビールやジュース程度。商工会青年部は例年のかき氷のかわりに、わざわざ夜中に秩父や山梨県まで行って捕まえてきたカブト虫を売った。
神戸で首切り事件が起きた年、お化け屋敷で使われてきた床屋の練習用の生首が使えなくなった。
砒素入りカレー事件が起きた年、障害者週間・福祉のつどいで予定していたカレーが中止になり、商工会青年部の考えていたカレーはまかないに回った。
まあ、お化け屋敷の生首は刺激が強すぎるから気持ちはわかる。どうもわからないのはO-157と砒素入りカレーなのだ。
O-157は感染すれば非常に怖いが、あの騒ぎの初年度で死亡者は10名だったと記憶している。砒素入りカレーはまだ解決していないが、いずれにしても混入したのはあの1件だけだ。なぜ食品全部が、そしてカレーが、あれほど警戒されなくてはならないのだろう。もちろん注意することは大切だけれど。
「家庭向けにO-157のチラシを作ったんだけれど、『交通事故にも気を付けて下さいね』って書かないわけには行かなかったよ」
と、東村山にある幼稚園の園長の話。
O-157での死亡者は騒ぎのあった年で10名。交通事故での死亡者は年間10000人。驚いたことに風呂に入って心臓停止で死ぬ人も同じ10000人。癌は230000人。ニュースにならないものから順番に注意した方が良いよね。ニュースの記事になる出来事は、めったにおこらない珍しい事の方が多いのだから。
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