冬でも緑がキラキラまぶしいくらいの「ニラ」
今月は、スタミナ野菜『ニラ』を召し上がれ!
ニラは、丈夫で栽培がしやすく、いくら摘んでも伸びてくる、年に数回も収穫できる丈夫な野菜です。ハウス栽培などによって、一年中味わうことができます。ニラは、古くから体が温まり精力がつく野菜として、寒い地方で重宝がられてきました。
江戸時代の著名な農学者である宮崎安貞は、「農業全集」の中で「ニラは昔から有名な作物で、人々から賞味されている」、「陽起草とも言って、人の栄養を助けて体を温める、性質の良い野菜である」と述べています。
ニラは、ユリ科ネギ属の多年生草本で、ニンニク、ネギ、ラッキョウなどと同じ仲間です。日本にも野生のニラが見られ、「韮崎」「韮山」など、各地に地名として残っていることから、古くから人々に親しまれてきたのでしょう。
ニラの原産地は、東アジアと言われています。東アジアの各地に自生し、中国では、3000年以上前から利用され、古くからある身近な野菜です。一方、ヨーロッパではほとんど栽培されていないことから、ニラは代表的な東洋の野菜といえるでしょう。
中国では、明の時代の医薬書である「本草網目」や、植物図鑑「植物名実図考」に、ニラの効用、薬効、栽培などについて詳しく書かれています。
日本では、9~10世紀頃には、既に栽培されていたようです。古事記や日本書紀にも記述があり、万葉集にも登場しています。最初は薬用とし、粥に混ぜて食べられていました。
江戸時代になると、ニラは重要な野菜の一つとなり、栽培法や利用法、効用に関する記載も多く見られるようになってきます。ただし、大量に食す野菜ではなかったので、庭先や畑の隅、土を盛った畑の縁などに植えられ、少量ずつ栽培されていました。
現在では、餃子などに代表される中華料理の普及から、多く消費されるようになりましたが、戦前には、家庭菜園での栽培が主で、あまり店頭には並びませんでした。一度植えると、何年も収穫できるため、なまけ者の家庭菜園にはもってこいの野菜だそうです。そこのあなた!ベランダでニラを育ててみるのはいかがですか?(^^ゞ
一般的には緑色の「大葉にら」が知られていますが、中国野菜の一つとして「黄にら」、「花にら」といった種類も人気が高まっています。花ニラは、茎が伸びて先端に可愛いつぼみが付いているのが特徴。歯ごたえがよく炒め物に向いています。黄ニラは、普通の葉ニラを日光が当たらないように栽培したものです。完全に軟白されて白に近いものから、黄色のものまであります。繊維も匂いも柔らかく、食べやすい種類です。
また、ニラの種を乾燥した「韮子(きゅうし)」は、泌尿器系疾患の漢方薬として用いられています。
ニラの収穫・出荷は、11月上旬から3月下旬までが冬ニラ、4月上旬から10月下旬までが夏ニラと、分けられています。品種は、ほぼ全国的に「グリーンベルト」という品種が栽培されています。最近では「スーパーグリーンベルト」と呼ばれる品種が出てきました。従来品種に比べ、幅広で葉肉も厚く、緑の濃い、収穫を重ねても葉の痩せない、味も香りも良いとのこと。まさに「スーパー」ニラですね!
ニラは、胃腸に良く「食べる薬」と言われています。また、生殖腺の機能を高め、精力増進に優れた薬効があります。ニラは身体を温めるので、冷え症の女性、神経痛や痔で悩んでいる方にはおすすめの野菜です。ベータカロテンや各種ビタミンが豊富な上、もちろん食物繊維もたっぷり含まれています。
ベータカロテンは、ニラを100g食べると成人男子1日の必要量の9割がまかなえるとか。風邪の予防に欠かせないビタミンCも豊富で、カルシウムや、鉄、カリウムなどのミネラル成分も多く含まれています。さらに、ネギ類と同様にセレンというミネラルを含み、近年、体内で過酸化脂質を取り除いて活性酸素の発生を抑え、発ガンの抑制に関連していることが分かりました。
ニラといえば、何といってもあの独特の臭い!ネギやニンニク、ラッキョウなどに含まれる刺激臭の香気成分が硫化アリルです。硫化アリルの一種であるアリシンは、消化液の分泌をよくして食欲を増進させ、腸内を浄化する制菌作用があるとされています。腹痛や風邪の時には「ニラがゆ」や「ニラ雑炊」が効果抜群☆ 他にも、新陳代謝を活発にし、さらには血液をサラサラにする効果や、臭いの成分で肉や魚の生臭さをやわらげ、美味しくするといった効果があります。
アリシンは、ビタミンB1の吸収促進と効率を向上させる重要な役割を持っています。疲労回復、新陳代謝を高めるビタミンB1は、単独で一度に多く摂っても体内に吸収される量は限られていますが、アリシンと一緒に摂ると体内への吸収力や残存率がぐんと高くなります。ニラの定番料理「ニラレバ炒め」は、ビタミンB1が多く含まれているレバーと組み合わせることで究極のパワーアップ料理と言えるでしょう。
ニラに含まれている栄養素の量は、葉先の緑色の濃い部分と、根元の白い部分では、成分が大きく違います。臭いや味のもととなるアリシンは根元に多く含まれ、その量は葉先に比べて4倍にもなります。逆に、ベータカロテンは葉先に多く含まれ、根元に比べてその量は5倍です。また、美容に良いビタミンEも葉先に多く、根元に比べて3倍です。
冬ニラは、特に2月~3月が美味しい季節です。全体的にシャキッとして葉の緑が濃く、葉肉が厚く、葉幅が広くて、葉先まで元気よくピンとしているもの、ツヤの良いものを選びましょう。切り口が新しく、臭いが強いものの方が新鮮です。
葉先の枯れたものが混じっていたり、途中で折れたり傷ついているものは避けましょう。
ニラは、傷み易い野菜の代表。日持ちがしないので、買い置きは避け、三日以内に使いきるようにしたいですね。
保存をするときは濡れた新聞紙やラップで包んで、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。葉が折れてしまうと栄養素が失われてしまいますので、ていねいに扱いましょう。
ニラは、調理の直前に切りましょう。あらかじめ切っておくと、栄養の流出もありますし、酵素の作用で、独特の臭いがさらに強くなってしまいます。
緑黄色野菜の「優等生」と言われるニラは、和洋中どんな料理でも合います。
特に、ベータカロテンやビタミンEは油との相性が非常に良いことから、栄養的にも炒め物は適しています。臭いは火を通すことで和らぎます。
調理するときは、色のあせない程度の加熱に抑えるといった、手早さが必要です。
炒め物のほか、お粥に入れたり、味噌汁の具や鍋物、和え物が美味しいです☆温かい汁物には、仕上げにパラっと入れると、ニラの香りを楽しみながら、身体をホカホカ温めてくれます。一方、卵とじやニラレバ炒め、餃子等は、ニラの臭い成分がたんぱく質と結び付き、肉や魚の生臭さを消してくれる調理方法です。ニラやニンニクの臭い消しに牛乳を飲むのも同じ原理です。
鍋や味噌汁、炒め物に飽きた人には、ちょっと変わったニラソースをどうぞ♪
●ニラソース●
材料・・・ニラ しょうゆ 酢 砂糖 白ゴマ ごま油 おろし生姜
作り方…- ニラはなるべく細かく切る。
- 1に、その他材料調味料を入れて混ぜる。しょうゆ・砂糖・酢は味を見ながら加減してね。
- 冷蔵庫で1~2時間ほどなじませたら、できあがり!
豚肉のソテーやしゃぶしゃぶのソースとして、湯豆腐の薬味などに、栄養満点のニラソースを、ぜひお試しください。(*^^)v
今月の野菜「ニラ」は、強烈な臭いのため“週末野菜”と言われているそうです。臭いのないニラ作りの研究が進んでいるそうですが、やっぱりニラはニラの臭いのままでいてほしいなぁ。春は、すぐそこまで来ています。もうしばらくの間、ニラで身体を温めながら、春の訪れを待つことにしましょう♪


